Ⅰ.『経営承継』とはⅡ.今、なぜ『経営承継』が注目されているかⅢ.準備不足による「経営承継失敗事例」Ⅳ.『経営承継』への準備を始めませんか?Ⅴ.経営承継に向けてのSTEPⅥ.上手な経営承継のために

上手な経営承継のために

経営承継にむけてのSTEP
STEP1 現状を知る

まずは「己を知る」です。現状をしっかりと認識することから始めていきましょう。

STEP2 方向性を決める

年齢、経歴、知識、スキル、事業意欲、考え方、価値観、資産状況などがポイントとなります。

STEP3 スケジュールを立てる

内容はできるだけ具体的にし、行動をイメージできるようにすることが大切です。専門的な知識が必要な分野は、商工会議所を通じて専門家に相談しましょう。

STEP1の現状分析の仕方はどのようにするのでしょうか?

会社や経営承継に関わる人々を取り巻く様々な状況を、しっかりと把握する必要があります。

1 会社の状況を知ろう

(1)会社の「経営資源」について
  ①ひと・・・従業員の年齢、従業員の能力、組織風土など
  ②もの・・・製品・商品、技術、機械、設備等の状況、土地の時価など
  ③かね・・・キャッシュ・フロー、資金残高など
  ④情報・・・会社独自の情報ストックと収集力、共有化の状況、独自能力など
(2)会社の「リスク」について
  ①金融機関からの借入状況と返済能力について
  ②役員等からの借入状況と返済意思の有無の確認 
  ③退職金支払いなどの潜在的債務の額の確認
  ④保険の加入状況を確認し適正であるか

2 現経営者及び後継予定者の状況を知ろう

(1)今、現経営者に「万が一」があったらどうなるのか(相続シミュレーションをする)
  ①自社株の所有株数と評価
  ②不動産(土地、建物)等の現状と評価および抵当権等設定の状況
  ③その他資産の額(時価評価)
  ④借入金などの負債の額と返済予定
  ⑤借入金など個人保証の状況
(2)後継予定者の「適性」を冷静に評価しよう
  ①後継予定者の有無と本人の意思の確認
  ②後継予定者のキャリア、能力、人柄、意欲、価値観等の評価
  ③後継予定者の資産・負債、個人保証などの状況

3 経営承継・相続時に関する課題を抽出しよう

  ①法定相続人の資産(特に自社株)・負債状況、人間関係の把握
  ②相続税額のシミュレーションと納税方法の確認
  ③遺産分割のシミュレーションと「争続」回避策の検討

STEP3の計画作りの手順はどのようにするのでしょうか?

地位の移転と財産の移転をいつ、誰が、どのようにするのかを落とし込みましょう。

1 まずは中期経営計画を基本に考える

経営理念やビジョンを明確にし、これを実現するための中期経営計画を策定しましょう。売上高、利益、社員数など具体的な金額や数値を入れることで目標管理や検証、評価が可能となります。

2 会社が行うこと

経営承継の中心課題は、何といっても自社株です。株式の発行や定款の見直しなど、法的に会社として行うべきことを整理しましょう。

3 現経営者が行うこと

・経営承継のタイミングを決める(「地位の移転」)
   →社内外の関係者に理解を求めることと、 相続を前提にした家族の
    合意が必要
・自社株を含めた「財産の移転」の計画→社長交代の時点で後継者の持株
 割合が3分の2以上が望ましい
・現経営者の引退後のライフプラン

4.後継者が行うこと

・後継者の最大課題は、社長としてふさわしい経営力を持つこと
   →社内の業務内容を網羅的に経験し、キャリアアップを図る。
    社外での研修受講や人脈づくりも大切
・自身の財産状況を把握し資金の蓄積を図る

「経営承継」への準備始めませんか? 上手な経営承継のために   


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